設立の背景と主旨
日仏工業技術会は、 在日フランス大使館参事官クリスティアン・ドーマール(Christien d’Aumale)氏の提案を受けて、故菊池真一先生(東京大学名誉教授)が奔走し、1955年(昭和30年)フランスの工業技術の紹介・普及および両国の技術者の交流推進を目的として設立されました。多くの企業に賛助会員として入会いただき、初代会長には日本経済団体連合会の会長石川一郎氏が就任しました。
創立時、わが国では、フランスの「文化の国・芸術の国」としての面のみが強調され、科学技術、特に工業技術についての情報はほとんどありませんでした。設立以来、本会はこのような状態を打破すべく、フランスの工業技術のみでなく、その基礎となる研究、高等教育制度、社会基盤など、背景にある文化、社会をも理解できるよう、より広範囲の情報を紹介することに努めてきました。
近年は、原子力や鉄道の分野を初めとして、フランスの科学技術の高さがわが国でも知られるようになってきましたが、それでも理系分野におけるアメリカ偏重の傾向があり、それとは別の視点を提供するという観点からも、本会の活動は意義深いものといえるでしょう。2015年には創立60周年を迎え、新たな理念として「日々の暮らしの豊かさと規律をめざして」を掲げ、引き続き日仏、日欧交流推進の一助となる活動を展開しています。
主な活動
- 会報の発行
『日仏工業技術 L’Echange』を年2回発行。また若手会員によるフリーペーパー『L’Echange』を不定期で発行。 - 日仏シンポジウム
様々なテーマを取り上げ、年に1~2回、在日フランス大使館、研究所、大学、企業等と日仏シンポジウムを共催。フランスからも講師を招聘。 - 講演会の開催
日本の企業、大学、研究所、日仏会館等に派遣されているフランス人学者、技術者、または、フランスから帰国した、あるいは、在仏の日本人研究者などによる講演会を随時開催。 - 文献の執筆
日仏の工業技術に関する叢書の企画・執筆。 - 見学会
在日フランス商工会議所との共同企画で、毎年秋、科学技術の先端をいく企業や研究所の見学会を実施。 - ウェブサイトによる情報発信
本会の活動・本会賛助会員各社をウェブサイトで随時紹介。