詳説『スバル開発物語』松本廉平

第二次大戦後、日本の乗用車産業はほとんどゼロから再出発し、外国車のライセンス導入車も作られたが、スバル360はそのユニークな車体形状と軽自動車とは思えないほどの居住性、動力性能、乗り心地の良さで、それまでとかけ離れて優れた画期的国産乗用車として高く評価されて、「てんとう虫」の愛称で親しまれ、その乗り心地の良さから「スバルクッション」の言葉も生まれた。現在でもスバル360ファンは少なくない。このスバル360は元中島飛行機の航空機技術者によって、飛行機の技術を応用して作られたが、その際に最も参考になったのはフランスの自動車技術であった。更にスバル360に続いて、高速道路時代に適した我が国初の本格的前輪駆動スバル1000が作られたが、このときも又、フランスの前輪駆動車が最も参考になった。本書は単にメカニズムの説明にとどまることなく、その底に流れる社会的・技術的背景も述べ、スバル360によるヨーロッパ3万㎞走行での各地の名勝・旧跡も載せている。
(松本廉平)

著者:松本廉平
発売元:(株)ナカムラヤ
価格:3500円(税込、送料別)
A5版1500頁を1枚のCDに収録