函館カトリック元町教会をめぐる日仏シンポジウムを開催しました

日仏工業技術会 建築・都市計画委員会が、以下のシンポジウムを開催しました。

函館カトリック元町教会をめぐる日仏シンポジウム

[主旨]

函館元町地区のランドマークとして広く知られるカトリック元町教会は、幕末に設立され、以降、戊辰の戦乱や度重なる大火に晒されながら今日に到っています。明治期から大正期にかけて何度かの建替えや改築がなされましたが、不明な部分も多く、日本におけるカトリック聖堂の歴史の中でも位置づけが画定していませんでした。2015年からこの教会建築をめぐる総合的な調査が実施され、その結果、同聖堂の編年、遺産学的な価値、聖具の由来、構造的な問題等について多くの知見がもたらされました。この度、調査報告書が刊行されることとなり、それを記念して函館の地に国内外の碩学を集め、文化遺産の視点から元町教会をめぐるシンポジウムを行いました。以下のプログラムにて、日仏の専門家・当事者を集め、長崎を始めとする他のカトリック聖堂との比較、パリ外国宣教会を通したフランスとの関わり、畳敷きのゴシック聖堂という特異な形式の評価、函館の都市発展の中での役割、景観上の視点などについて分野横断的な議論を行いました。会場は元町教会の聖堂、明治末の建築空間を実際に体験しながら議論を進めました。

[概要]

日時:2024年5月18日(土)13:30-17:00

会場:カトリック元町教会 〒040-0054北海道函館市元町15-30 (市電 十字街下車 徒歩10分)

主催:カトリック元町教会

   日仏工業技術会

共催:日本建築文化保存協会

協力:工学院大学

   日仏会館・フランス国立日本研究所

   函館の歴史的風土を守る会  

後援:在日フランス大使館科学技術部

   函館市教育委員会

   カトリック札幌司教区

定員:150名

[プログラム]

13:30-13:40 開会の挨拶:

祐川郁生 神父(カトリック元町教会主任司祭)

13:40-13:55 挨拶:

中島智章(日仏工業技術会副会長、工学院大学教授)

シャルル=アンリ・ブロソー(フランス大使館文化参事官)

トマ・ガルサン(日仏会館・フランス国立日本研究所所長)

13:55-14:15 基調報告: 

三宅理一(東京理科大学客員教授)「元町聖堂の編年と新たな評価」  

14:15-14:30 コーヒーブレーク

14:30-15:50  発表:   

小原雅夫(元町画廊)「元町教会とその界隈」

山田由香里(長崎総合科学大学教授)「長崎のカトリック教会群」

デルフィーヌ・ヴォムシャイド(日仏会館・フランス国立日本研究所研究員)「五稜郭:日本における西洋式城郭」

平井充(工学院大学講師)「木田保造と鉄筋コンクリート構造」       

15:50 -16:05 コーヒーブレーク

16:05-16:50 パネル・ディスカッション 

加藤耕一(東京大学教授)   

Sr. 木村晶子(藤女子大学教授)

三觜慈子(函館白百合学園高等学校教諭) 

山本真也(函館の歴史的風土を守る会副会長) 

伊藤洋子(追手門学院大学特任教授)司会

16:50-17:00 総括    岩岡竜夫(東京理科大学教授)

総合司会  清水信宏(北海学園大学准教授)