協議整備区域（ZAC）と調整役建築家
La ZAC et lﾕarchitecte coordinateur

宮谷 敦 Atsushi MIYATANI

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La zone dﾕam始agement concert�, dite ZAC, est lﾕun des instruments dont disposent les collectivit市 locales pour mettre en ﾏuvre leur politique dﾕurbanisme et sﾕassurer la ma杯rise des terrains � am始ager. Cette proc仕ure, sensiblement remani仔 par la loi de juillet 1985, retrouve sa vitalit�. Gr営e � lﾕintervention de lﾕarchitecte coordinateur, la ZAC est maintenant mieux adapt仔 � la taille des op屍ations urbaines.

1960年代後半から70年代前半にかけてのフランスでは，都市の再構築化、すなわち都市再開発を行っていくために、国家レベルではなく地方自治体（市町村）レベルによる強い介入が認識され始めていた。強く介入するということは，まちづくりを実行する事業主＝地方自治体にとって、効果 的なツールが必要でもあった。もちろん，それは民主的に運用可能な制度であると同時に、建築、都市計画という観点からも、そしてファイナンスという観点からも効果 的なメカニズムでなければならない。そこで制定されたのがZAC（ザック）という制度である。
ZAC（Zone dﾕAm始agement Concert氏j、直訳すれば「協議整備区域」と呼ばれるその基本法は1967年に制定され、権限の地方委譲の観点から1985年に改正されている。
本編では、協議整備区域ZACのメカニズムやフローの概略を解説するとともに、そこに係る「調整役建築家」という存在とその役割を紹介する。

都市計画制度の流れ

フランス都市計画の具体的な内容は市町村レベルで定められ、基本計画SD（シェマ・ディレクトゥール）と土地占用計画POS（ポス）という二層構造からなる。註）
基本計画SD（Sch士a Directeur）は、経済的・社会的利害を共にする、ひとまとまりの市町村の発議で策定・改定される。これは市街地の拡大、経済生産活動および自然景観保護などの均衡を保ちつつ、関連地域整備の基本的方向性を定める上位 計画であり、中期的未来（25〜30年後くらいまで）の国土整備基本方針を定めるものである。
1967年12月30日法により制定された都市整備基本計画SDAU（Sch士a Directeur dﾕAm始agement et dﾕUrbani-sme）は、1983年1月7日法により基本計画SDに改訂された。いずれも管轄区域整備の基本的方向性を定めることを目的とする市町村間都市計画文書であるが、1983年法はこの性格を変えずに、策定作業の地方分権化と適用領域の拡大を行ったものである。
適用領域の拡大とは、都市整備基本計画SDAUが都市圏開発の方向づけを規定するものであったのに対し、基本計画SDは農村地域も含んだ国土全体に適用されるものである。前者は、人ロ１万人以上の都市圏に策定義務があったのに対し、後者は義務ではなくなった。市町村はこれの実施を奨励されているだけであり、大きな自由裁量 を有して土地占用計画POSの策定と運用を行うことができる。
土地占用計画POS（Plan dﾕOccupation des Sols）は、都市計画の内容を定める中心的図書であり、市町村が策定する。区域ごとに一般 的規則や土地用途を規定し、土地占用係数も定めることができる。数個の市町村にまたがる場合（市町村間POS）もあれば、1市町村区域の一部分のみに関係する場合もある。基本計画SDとは異なり、規約を有し第三者対抗力を備える。したがって、私人に対しても執行力をもつので、公表及び公開聴聞の手続きが厳密に決められている。
1983年1月7日法により、POSの策定が義務付けられる市町村（人口1万人以上）と策定が任意の市町村（人口1万人未満）の区別 がなくなり、どの市町村でも策定可能となった。以前まではPOSの策定および実施は国家権限に属していたが、同法により「土地占用計画POSは、市町村の発議と責任のもとに策定される」という新原理が立てられ、現在、フランス本土の70％がPOSでカバーされ、人口10万人以上の市町村の100％がPOSを備えている。

協議整備区域ZAC

協議整備区域ZACは、1967年の土地基本法（Loi dﾕorientation fonci俊e）によって制定された都市整備手法のひとつであり、その定義は都市計画法（Code de lﾕurbanisme）で次のとおり謳われている。 「協議整備区域ZACとは、土地整備を行う，もしくは行わせるために、公共団体または所轄の公益法人が開発介入する区域である。特に土地については、当該公共団体または公益法人が将来的に公私の利用者に売却または譲渡する目的で収用または取得するものとする」
ZACの特徴としては、協議を通じて決定していく点と、整備された土地を創出する点があげられる。土地整備は、居住用、商業用、工業用、サービス業用、公共用などの施設の実現を目的として行われ、基本計画SDを有しない市町村ではZACを設けることができない。さらに、土地占用計画POSの適用される土地の場合、都市区域（zone urbaine）または将来市街化区域（zone dﾕurbanisation future）でしかZACを設けることができない。また，POSが適用されない土地の場合、基本計画SDが適用される土地でしかZACを設けることができない。この場合、整備事業の場所やプログラムがSDと整合したものでなければならない。
1986年の政令により、「協議整備区域ZACは、当該区域の目的を実行する、もしくは実行させるために、法またはその規約にもとづいて公共団体または所轄の公益法人の発議により設定される」と定められている。また、ZACで区域整備計画PAZ（パズ：Plan dﾕAm始agement de Zone）が定められた場合、POSの規定は原則として適用されなくなる。整備の実施には協定があり、ZACの事業完了後には、その整備者（am始ageur）は土地をすべて売却することになる。（但し、場合によっては借地権譲渡のようなケースもある）

ZACの流れ

まず、事業主（自治体）の土木局又は都市計画局が協議整備区域ZACの区域線を決める。そして、その区域内でどのような計画を行っていくか概略検討されるが、まだこの段階では住民との協議は行われない。このように、事業主当局がZACの区域線を決め、かつ、その中につくられるべき居住施設、商業施設、公共施設等の計画概要を作成していくことが第一段階である。第二段階としては、まだマスタープランともいえないような大まかなゾーニング図面 を作り、その整備事業に適用される規則、すなわち区域整備計画PAZが文面 化され、次に整備事業の収支計画がこの段階ですでに作られる。 　事業主は整備者（am士ageur）に開発整備の実施を委託する場合が多い。委託される整備者は混合経済会社SEM（セム：Soci師� dﾕツonomie Mixte）と呼ばれる組織がほとんどである。これは、いわゆる第三セクターであり、資本バランスは地方自治体が51％以上を保有する。パリ市を例にすれば、SEMAPA（セマパ：Soci師� dﾕツonomie Mixte dﾕAm始agement de Paris），SEMAEST（セマエスト：Soci師� dﾕツonomie Mixte dﾕAm始agement de lﾕEst de Paris），SEMEA15（セメア15：Soci師� dﾕツonomie Mixte dﾕヒuipement et dﾕAm始agement du 15塾e arrondisse-ment）など8社のSEMが存在する。